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横浜市営バスあれこれ
路線・運用編第9弾
6系統の過去
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 これまでもこのページの至る所で系統番号や番号の付け方などについて触れてきました。その中では3回以上使い回されている系統番号についてもいくつか書いてきました(実際にはかなりの数があります)。そんな系統の中でちょっと目に付いた系統があったのでここで別に詳しく紹介していこうかと思います。それがタイトルにあるように「6系統」です。

 6系統は青葉台駅〜奈良北団地という路線を最後に平成5年10月12日に廃止され、空番になっていましたが2010年4月に復活しました。ここでは初代(これは既に紹介済みですが)から順を追って見ていきましょう。


1.初代6系統

起点 終点 経由地 運行距離 担当営業所 備考
横浜駅前 戸塚駅前 浜松町、保土ヶ谷駅東口、元町橋、平戸 12.600 浅間町 一時期、長者町5丁目発着
(未確認)

 既に昭和29年の全系統路線データで紹介しているとおり、現在の神奈中バス横41系統と同じルートを走っている路線でした。昭和25年5月に横浜駅から長者町5丁目まで延長運転が行われたそうですが、ちょっと詳細は不明となっています。そして昭和29年4月の時点ではこの横浜駅発ということで落ち着いていました。

 ひたすら東海道を走る路線です。現在の横浜駅東口に乗り入れる路線と異なるのは西平沼橋を渡り、平沼町1丁目から横浜駅に乗り入れていたと言うことです。当時、浅間下及び保土ヶ谷方向から横浜駅に入る路線バスではこれが当たり前だったようです。市営バスの場合、77系統がかなり後年まで平沼町1丁目経由となって走っていましたが、現在は他の系統同様、高島町経由となっています。ちなみに未確認ですが、神奈中バスの横41系統は横浜駅行きに限り(逆は道路構造上無理があるのでその理由は納得できます)このルートで走っているという話も聞きます。なお、西平沼橋自体は現在も57系統が渡っています。


2.2代目6系統

起点 終点 経由地 運行距離 担当営業所 備考
桜木町駅前 戸塚駅前 本町4丁目、長者町5丁目、日ノ出町1丁目、井土ヶ谷、保土ヶ谷駅東口 上り:16.095
下り:15.985
浅間町  

 昭和32年8月1日に路線の改変がおき、横浜駅発が桜木町駅発となりました。変更後のルートはこれまた変わったルートで、本町4丁目に出て右折、その先羽衣町を経て長者町5丁目へ。そこで右折し、日ノ出町に。さらに日ノ出町で左折し、初音町、前里町と行きます。前里町4丁目から現在の南センター間は現在は神奈中バスのみ走る区間を走ります(南太田駅前、商業高校(Y校)前など)。そのまま井土ヶ谷に出て右折します。北永田を経て井土ヶ谷の切り通しを走り、保土ヶ谷橋から一端保土ヶ谷駅東口に立ち寄って旧来の6系統と同様のルートを戸塚駅まで行くというものでした。初代に比べるとかなりユニークな走り方をしています。しかし、ユニークすぎたのかあまり長続きせず、昭和34年3月31日に廃止となりました。これによって市営バスは元町橋〜平戸〜戸塚駅という路線がなくなってしまいました。


3.3代目6系統

起点 終点 経由地 運行距離 担当営業所 備考
横浜駅前 戸塚駅前 反町、三ツ沢中町、常盤園上、品濃町
(横浜新道経由)
16.750 西
(現在の保土ヶ谷)
有料道路利用者は1人1乗車につき
有料道路利用料金10円必要

 横浜市の公営交通は「戸塚」という地名に結構こだわっているようで、昭和34年10月18日に3代目の6系統として戸塚駅乗り入れの復活を果たしました。今回は一般道路を走るのではなく、常盤台(現在の横浜新道)から横浜新道に入り、そのまま矢沢まで走り、矢沢で横浜新道を下りた後は戸塚町1丁目(現在は戸塚1丁目)を経由し、戸塚駅前(戸塚駅のどこかは不明)まで走りました。当時横浜駅はまだまだ東口が主流であり、バスもそこから発車し、青木橋を渡り、反町、松本、三ツ沢下町、三ツ沢西町を経由して走っていました(これは1系統も同様)。

 高速道路を利用する場合は高速料金として10円支払うという制度がしかれていました。現在、109系統に乗る場合は高速料金として20円余計に支払いますが、210円に対しての20円ですから、通常料金との比率はだいたい1:10(10.5)となります。しかし、この当時運賃は区間制であったものの1区15円でこの路線の場合、最高で3区35円という料金でした。35円に対して10円というのは割合としてはかなり高いものになります。どれくらいの乗客があったのかが気になります。ちなみに、運行開始当初の運行本数は10本だったそうです。

 昭和37年4月30日で廃止となりました。その後を相鉄バス(こちらは市営バス撤退以降の運行開始なので引き継いだと言っても構わないかと思います)及び神奈中バスがこの区間(横浜駅〜戸塚駅はなくなりましたが)を走らせています。別のページで書いていますが、相鉄バスが横浜市と路線系統調整の為の運輸協定を結ぶようになったのがその前年の12月、神奈中バスとは同年2月に協定を結んでいます。そのあたりの事情がこの系統に関してはあるのではないかと考えています。

 なお、戸塚駅自体はこの系統の廃止前に53系統などが乗り入れるようになっていたので、戸塚駅からの撤退は平成10年の53系統廃止までありませんでした。


4.4代目6系統

起点 終点 経由地 運行距離 担当営業所 備考
長津田駅前 鉄町 下長津田、恩田第一住宅入口、上市ヶ尾 7.990 西営業所中山出張所
(後に港北出張所(緑営業所))
長津田駅〜恩田第一住宅間もあり

 昭和39年8月に4たび6系統を名乗る系統が誕生しました。今度はがらりと場所が変わって長津田地区に誕生しました。長津田駅から下長津田に出て(田奈中学校回り(現在はそういう路線はないですが)もあった模様)、市が尾方面に向かいます。何を隠そう、この区間は現在国道246号線と呼ばれている区間に当たります。かつて、このあたりでも市営バスが国道246号線を走っていたのです。バスは片町、下恩田、浅間下、恩田成合、恩田橋と現在もかろうじて残っている国道246号線沿いのバス停に止まっていたようです。そして恩田第一住宅入口ですが、ここは現在の青葉台駅近くのえのき橋付近にあったバス停のようです。長津田駅からここまでは8回、その後鉄町までは5回の運行本数となっていました。現在東名高速の横浜青葉インターの脇を通り、上市ヶ尾(なお、市が尾を「が」で表すのは東急の駅だけで、実際の地名は市「ヶ」尾となります)で左折し、43系統と同じルートで鉄町まで行っていました。

 この路線もあまり長続きせず、昭和41年4月の田園都市線開通に伴う改変でなくなってしまいました。1年半ちょっとしか持たなかった路線でした。


5.5代目6系統

起点 終点 経由地 運行距離 担当営業所 備考
青葉台駅前 奈良町
(後に奈良北団地)
稲荷前、中恩田 6.210
(後に7.510)
保土ヶ谷営業所港北出張所
(後の緑営業所)
(最終的には若葉台営業所担当)
 

 昭和41年4月1日、東急田園都市線の溝の口〜長津田間開業にあわせて6系統は変更になり、青葉台駅から奈良町という路線となりました。青葉台駅にはこの系統とともに90系統が新設の上、乗り入れを行っています。そして長津田駅〜鉄町間は神前橋、鴨志田経由となったものの87系統が新設され、鉄町への足は確保されていました。

 なお、旧系統で廃止となった国道246号線相当区間には新たに104系統というこの時点では妙に飛んだ番号の路線が出来たようですが、いわゆる免許維持用の路線のような扱いだったようで、この系統に関する実態はよくわかりません。この10*系統というのは昭和39年に磯子駅〜(産業道路)〜磯子警察署〜禅馬〜滝頭車庫間というのが103系統として運行を開始して登場した系統です(滝頭車庫(この時点では詰所)への出入り便という扱い)。その後旧12系統である保土ヶ谷駅西口〜鶴ヶ峰線が105系統を名乗ったことがあるそうなのですが、これについては最終的には無番系統として扱われていることから、昭和39年から42年頃に出来た100番台の系統は便宜上のものものかなとも思われます(これらについてはもう少し文献の調査を進めたいと思います)。

 昭和46年8月1日に奈良町から奈良北団地まで延長となりました。この時既に23系統も奈良町まで来ていましたが、こちらが奈良北団地に乗り入れるようになったのはそれよりも少々後のようです。

 この6系統は長続きしました。平成5年10月12日に廃止となっています。私が乗ったのは緑営業所の車両で、青葉台駅から奈良北団地まで行きました。そして折返しはそのバスをやり過ごして118系統で青葉台駅に再び戻ってきました。そして、中山駅に出ようと90系統を待っていたら先ほど乗った6系統が方向幕を90系統にしてやってきたと言うことを覚えています。最終的には若葉台が担当となり、廃止になりました。6系統運行当時の末期、若葉台担当の23系統のダイヤは6系統を代表扱いで作成されていました。


6.6代目6系統

起点 終点 経由地 運行距離 担当営業所 備考
新横浜駅前 鶴見駅西口・梶山 太尾新道、大倉山駅前、トレッサ横浜 →10.880
←11.120
港北営業所  

 2010年4月1日、6代目となる6系統が登場しました。先代の6系統の廃止が1993年なので実に17年ぶりの復活となります。

 41系統と104系統を足したような路線(ダイヤ上は14系統、67系統、104系統のグループになります)で、大倉山駅からトレッサ横浜、三ツ池公園への足として設定されたようです。全線を乗り通すと50分近くかかり、104系統に比べると10分以上余計に時間がかかります。下町会館周辺で周辺の道路を一回りするような経路を取っているのも特徴です。


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