横浜市営バスあれこれ
路線・運用編第8弾
年末年始ダイヤ

 年末年始は特別ダイヤが実施されます。年末年始は会社や学校も休みになるところが多く、通勤通学輸送の必要が少ないこと、乗務員にも休みをある程度は確保させる必要があるので、運用数を少なくした特別ダイヤが実施されるのです。当然バスの本数は全体的に少なくなります。結果系統によっては運休、運行本数が2/3から1/2位に減少するものなどが出てきます。ここでは年末年始ダイヤと大晦日の最終バスについてちょっと見ていきましょう。

(2002,−1,−6:追記) 一部ダイヤが変わった系統があるため、2001年から2002年の年末年始ダイヤで見られたもののみ記載します。


1.ダイヤの名称

 一般的には「年末年始ダイヤ」と呼ばれますが、営業所によっては「休庁」ダイヤと呼ぶこともあります(本牧、野庭など)。「休庁」とは、役所(庁)が休み(休)というところあたりから出てきた言葉だと考えられます。まぁ、名前はどうあれ中身は同じ年末年始のダイヤです。


2.ダイヤの特徴

 年末年始ダイヤにはいくつかの特徴があります。いくつかあげてみましょう。

2−1.ダイヤ(出庫)数が少ない

 基本的に運行本数が少なくなるので、当然ある系統に対する必要車両台数が少なくなります。と、いうことでダイヤ数が少なくなります。例えば105系統、106系統の本牧営業所担当分の場合、通常の平日ダイヤでは午前午後それぞれ20台程度の車両が必要になるのですが、半分程度になります。

2−2.日勤的ダイヤが割に多い

 年末年始ダイヤでは早朝、深夜のバスに乗る人はあまりおらず、むしろ昼間のバスに需要が集中することが多くなります。そのため、9時頃出庫し、17時頃に入庫する運用が割りに多く見うけられます。

2−3.運転手さんの拘束(乗務)時間が短い

 すべての系統がこうではないのですが、年末年始ダイヤでは割に1ダイヤ当たりの運転手さんの乗務時間が少なめに設定されています。その結果、1ダイヤ当たりの運転手さんの拘束時間も短めになっていることが多いです。

2−4.複数の系統をペアにした運用が見られる

 これは年末年始ダイヤ特有のものです。運行本数を減らしてしまうことで、ある系統単独では乗務員用ダイヤを組めなくなることが起こります。そのため、複数の系統を組み合わせてダイヤを作成する場合があります。現在、確認しているのは以下です。

系統番号 営業所名
54系統、97系統、101系統、126系統 本牧

 101系統のダイヤで本牧車庫から根岸駅間の出入庫の際、54系統として営業出入庫をする場合がありますが、通常は独立した運用となっています。しかし、年末年始ダイヤでは次のような運用が実際に見られます(運用番号、時刻は省略)






 

 


 
 
 



 


 
 

                        出庫        
                        **** 回送 ****    
**** 回送 **** **** **** ****    
**** 回送 **** **** **** **** **** ****
                        **** ****
                        **** ****
                **** **** ****
                 **** ****
                        **** ****
                        **** ****
                        **** ****
                        食事        
                        **** ****
        **** **** **** **** ****
        **** **** **** **** ****
                        **** ****
                        入庫        
出庫後間門まで回送の上、101系統宮田町行きとして営業。
宮田町から保土ヶ谷車庫へ回送の上、折返し。
保土ヶ谷車庫から宮田町まで回送され、101系統根岸駅行きとして営業。
根岸駅到着後、54系統で本牧車庫往復を行う。
126系統で本牧ふ頭を循環し、その後54系統本牧車庫行きで食事入庫。
食事出庫後、根岸駅まで54系統で営業。折返しは54系統の桜木町駅行き。
桜木町駅を往復し、54系統本牧車庫行きで入庫。

 かつてはカセットテープで案内放送をしていたので、この時期になると特別にカセットを入れ替えたテープケースが存在していました。


3.年末ダイヤのみある系統

 48系統、中央市場線は年末年始ダイヤ期間は運休となります。この路線は通常休日運休なのですが、年末になると休日も市場が営業することもあります。また、12月30日は他のバスは休日ダイヤですが市場は営業しています。と、いうことで年末の2日間に限って休日及び休日ダイヤ適用日に48系統を運転させる特別ダイヤが編成されます。

48系統年末時刻表
48系統年末ダイヤ時刻表
(写真をクリックすると拡大されたものが出ます)

4.奇妙な運用

 この年末年始ダイヤに限り、先ほどの運用例でも書きましたが101系統に宮田町行という行先が復活します。101系統はかつては根岸駅と宮田町間を結んでいた路線だったのですが、1984年に保土ヶ谷車庫前まで一部が延伸し、その後メイン担当営業所が浅間町から保土ヶ谷に移管になった際、全便が根岸駅(実は始発便のみ上記と同様に間門発になります)〜保土ヶ谷車庫前間となりました。ところが、この時期だけ昔懐かしい宮田町行(発もあります)が復活するのです。これは宮田町〜保土ヶ谷車庫間を回送(サティ前を通る)だと2分、営業(峰小学校経由)だと6分かかるため、時間的に保土ヶ谷車庫まで営業だと折返し時間が確保できないことからそういう運用が発生するようです(実際、根岸駅→宮田町→回送→保土ヶ谷車庫(5分休憩)→回送→営業→根岸駅という運用があり、これだと保土ヶ谷車庫まで営業の場合、折り返しの時間が確保できません)。しかし、保土ヶ谷車庫担当便でこれで乗務終了のダイヤでも宮田町終点、車庫回送という運用があったりしますので、真相はちょっと不明です。

 この年に4日間しか使用されないダイヤのために、保土ヶ谷及び本牧の車両には「101 宮田町」という方向幕が入っています。また、通常ダイヤで全便が保土ヶ谷車庫行きとなったときに、接近表示つきのバス停の一部では宮田町行きの接近表示をはずしてしまったところがあります(宮田町行きの接近を察知する機能は生き残っています)。そのため、表示は正しく出ないものの接近を告げる音声は出てくるという奇妙な光景を見ることができます。

101系統:宮田町行
101系統宮田町行
↑101系統宮田町行
車両は1998年度車のノンステップバスです
(1999年1月2日:紅葉坂バス停にて撮影)
(写真をクリックすると拡大されたものが出ます)
運転手さん用のスタフ
↑上のバスの運転手さん用のスタフ
(写真をクリックすると拡大されたものが出ます)
奇妙なバス停表示
奇妙なバス停表示
(写真をクリックすると拡大されたものが出ます)
奇妙なバス停表示:拡大図
上の写真の101の部分を拡大したもの
何もないところにバスの接近を表すマークだけ出ています
(写真をクリックすると拡大されたものが出ます)

 実は、「101 宮田町」というプレートは「134 桜木町駅(山元町)」の下にある無地のプレートと入れ替えられ、接近表示機の機能としては生き残っているのです。ちなみに、「134 桜木町駅(山元町)」の下には黒いもので覆われてはいますが「101 宮田町」というプレートが入っています。

 なお、この他に41系統に中山駅〜港北車庫というこれまた年末年始ダイヤだけのバス(緑営業所担当)があります。


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Presented by 古屋俊和(Toshikazu Furuya)
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