横浜市営バスあれこれ
車両編第1弾
車両番号の付け方&営業所別メーカーについて
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 横浜市営バス、横浜交通開発バスには車体の何ヶ所かに車両番号が書かれています。「7-2564」などの「1桁-4桁」の数字です。この番号で購入年度、エンジンメーカー、その車両の用途などがわかります。
 ここでは、その番号について解説しましょう。また、営業所別のエンジンメーカーについても解説しようかと思います。

 最初に、番号の付け方です。

 先に書いたとおり、横浜市営バス、横浜交通開発バスは1桁-(ハイフン)4桁の数字で番号付けされています。最初の1桁目はその車両の購入年度を表します。購入年ではなく、年度です。「7-2564」号車の場合、この7は97年度の7からきていることになります。実際にはこの車両(本牧営業所のノンステップバスの1台です)は98年になってから配属されたのですが、予算的には97年度の予算で購入されたため、8ではなく7となっているのです。それゆえ、最初の1桁目は購入年ではなく、購入年度を表すのです。

 ハイフンを挟んでの4桁の数のうち、最初の1桁目はエンジンメーカーを表します。現在横浜市営バスには4つのエンジンメーカーの車両が走っています。メーカー毎に1〜4の数字が割り当てられます。

エンジンメーカー 番号
いすゞ 1
三菱ふそう 2
日野 3
日産ディーゼル 4

 「7-2564」号車の場合、下4桁のうちの1桁目が2ですから、三菱ふそう製のエンジンを積んでいることになります。

 過去には何回か(はっきりしているのは2回)エンジンメーカーの番号に5がつくバスが走ったことがあります。これは1989年の「横浜博覧会」開催時に運行されたオープン型2階建てバス「チャーリー号」と2003年12月から2007年3月まで運行されていた「はまちゃんバス」で使用されました。

 次の2桁目は用途を表します。用途は以下の通りです。

用途 番号
観光、定期遊覧 0
養護学校輸送用(スクールバス) 1
車掌台付きバス(1994年度車まで:全廃)

横浜交通開発籍車両
2
ワンマンカー 3以降

 車掌台付きバス、ワンマンバスの番号については何年かに一度、見直しが行われます。この前の見直しは1988年、その前は1970年に行われたようです。1988年以前は車掌台付きのバスが8及び9を名乗っていました。ワンマンカーの一部が8になったので、見直しになったようです。

 なお、滝頭営業所には1994年度購入車まで車掌台が付いていましたが、当時の10・93系統のワンマンカー化に伴い、1995年度以降はワンマン専用車になりました。よって、現在では新車で2をつけるバスはなくなりました。現在横浜市営バスの車両は全廃となり存在しません。その後、横浜交通開発に転籍した車両が「2」を使用するようになりました(9-4201など)。

 ちなみに、0は説明のとおり観光、市内定期遊覧用に用いられる観光バスにつけられる番号です。かつては2階建てバス「ブルーライン」(現在の市内定期遊覧用バス予備車)の車両もこの番号をつけていました。

 1のつくバスは養護学校に通う生徒さん達の輸送用のバスです。1988年までは貸切輸送扱いということで車両は一般の路線用バスを改造した車両が当てられていましたが、1988年より特定輸送扱いに変更されました。現在撤退が進んでいます。

 さて、最後の2桁ですが、これは各々エンジンメーカーごとの通算番号です。一般の路線車の場合は台数が多いので、399以降が出てきますが、その場合は400、401・・・と続きます。「7-2564」の場合は97年度購入の三菱ふそう製のエンジンを積んだ通算264台目のワンマンカーということになります。なお、横浜交通開発籍車両についてはエンジンメーカーに関係なく番号が連番で振られていきます。

 この番号は番号から所属営業所こそわかりませんが、メーカーや年式、タイプなどは判断できます。この番号体系は資料によると1960年頃には出来ていたようです。それ以前は「D****」という番号をつけていたようです。このDは”ディーゼル”のDだそうで、他には蓄電池式のバス用に「E**」という番号体系があったようです。


 では、次に営業所とエンジンメーカーについて書いてみましょう。

 横浜市営バスの場合、かつては基本的に保守の面からある営業所には基本的に同じエンジンメーカーのバスを導入する傾向があります。以下の表のようになっておりました。以前の記録としてここではそのまま残しておきたいと思います。


(2002年頃の状況)

営業所名 基本的なエンジンメーカー 備考(2002年頃の状況)
磯子 日産ディーゼル 営業車で中型車の配置はなし
港北 いすゞ CNGノンステップ車あり
港北ニュータウン(現在廃止) 日産ディーゼル 三菱車(小型車)もあり
いすゞ車(大型車)もあり
港南 日野 金沢動物園用小型車有り
浅間町 日野 いすゞ車(中型車)もあり
滝頭 日産ディーゼル 日野車(小型車(ノンステップ、リフト車))もあり
鶴見 いすゞ 日産ディーゼル車(大型車)もあり
野庭(現在廃止) 日野 中型車の配置はなし
保土ヶ谷 日野 市内定期遊覧は日産車あり
本牧 三菱ふそう 日産車(大型車、中型車)もあり
三菱ふそう 特定車にいすゞ車あり
若葉台 三菱ふそう 中型車の配置はなし

 全体的な傾向から行くと、日野、三菱ふそう、日産ディーゼル、いすゞの順に台数が多くなっています。ちなみに、備考欄について解説しますと滝頭は10系統、93系統、136系統用に日野車(リエッセ及び小型ノンステップバス)、が配属されています。また、鶴見営業所には2002年3月末に港北ニュータウン営業所と車両のトレードを行い、日産ディーゼル車が5台配属されています。港北ニュータウン営業所には逆にいすゞ車が5台配属されました。また、308系統用に配属されている中型車の一部が三菱車となっています。浅間町には31系統専用車として中型車が3台配属されています。保土ヶ谷営業所には市内定期遊覧用として日産ディーゼル車が3台、それ以外に観光車が2台配属されています。本牧には134系統専用車として2台、2002年4月に港北ニュータウン営業所から転属してきた2台の大型日産車が配属されています。緑営業所には特定車(養護学校の送迎用車)にいすゞ車が1台配属されています。

 かつては1営業所に2メーカーなどというのが割に多かったです。磯子、滝頭、本牧、緑、及び当時の川和派出所には1974年度までは日産車と三菱車がそれぞれ配属されていましたし、浅間町にも三菱車がいた記憶があります。また、古い資料を見ると港南にも三菱車がいた模様です。

 また、派出所からの独立に際して配属車両メーカーを変更したところもあり、その経過課程で2つのメーカーの車両が混在していた例もあります。若葉台は保土ヶ谷の派出所として開設されたので、当初は日野車の配属が主でした。1979年度までは日野車もあり、1989年(横浜博覧会を期に市営バスは(予備車を除き)全車冷房車化されました)くらいまで日野車を見ることが出来ました。港北ニュータウン営業所は緑営業所川和派出所からの独立を控え、1988年度車から日産車の投入が始まりました。そしてそれ以降日産車なのですが、1987年度車が淘汰されるまでは旧川和時代に投入された三菱車(中型車は除く)と日産車の混在時期がありました。

 近年での珍例として、浅間町営業所に日産車が投入されたことがありました。これは圧縮天然ガスを燃料とするバス(CNGバス)を試験的に導入した際、ガスの供給所の関係で当初は浅間町に投入されたものです。現在は滝頭に専用の充填施設を設けた(後に港北にも設置)ので、この車両も滝頭に転属になりました。


 2004年度車から新車導入に際し一般競争入札による落札方式が採用され、営業所毎に統一されたメーカーでの配置という概念がなくなってきました。また、営業所の廃止や大規模な路線改変などにより車両の営業所間の転属が多くなり以前では想像も着かなかった車両の配属が行われるようになりました。更に2009年には滝頭営業所のCNG充填設備廃止と浅間町営業所のCNG充填設備新設などもあり、滝頭営業所と浅間町営業所で約半数の車両が入れ替わりになるなどで上表の営業所毎のメーカー指定は過去のものになりつつあります。

(内容改訂:2009/06/15)


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