横浜市営バスあれこれ
路線・運用編第6弾
150系統について(続き)

4.乗車体験記(過去に乗ったときのことを思い出して書きます)

4−1.関内駅北口->若葉台中央間乗車記

 中区内に住んでいる私にとってこのバスに乗るというのは案外大変なことです。平日は関内駅を夕方に出るわけですし、土曜日も昼過ぎの発車ですが普段は学校があります(このバスが運行されていた当時、私は学生でした)。そんなわけでこのバスに乗るというのは主に長期休暇中の土曜日ということになっていました。

 土曜日の関内駅発車時間は土曜日の運行が廃止になるまで変わりませんでした。しかし、その運行につく前の運用自体は結構変動があり、車両が関内駅に入る時間は何度となく変わりました。最後の頃は12時30分くらいに関内駅にきていました。関内駅北口のバス乗り場は2階建てバス「ブルーライン」を運行させるときに起点となったところで、以前はにぎわいがあったものでしたがこの頃は起終点が変更になっており、関内駅北口バス停は少々寂しいものになっていました。150系統のバス乗り場には(旧)55系統も止まっていましたが、こちらの運行本数も非常に少ないものでした。

 さて、バスに乗り込みます。料金は山下橋までは均一区間料金、その先亀甲山、大貫橋は通常料金+40円、その先若葉台中央までは通常料金+50円を支払います。
 車両は三菱製の専用車です。車内は吊革はほとんどなく、座席もほとんどが2人掛けのシートになっています。そして座席には白いカバーもしてあります。高速道路走行中は立席乗車が認められていないので、路線バスとしては珍しく補助席が付いています。また、各座席にはシートベルトも着いています。

 バスは若葉台営業所の所属ですが、若葉台所属者車では珍しく車長の長い車両(通称M尺車)となっております。

 時間となりました。13時00分。車内には私を含めて2,3人という寂しい状態です。もっとも、この頃は既に週休2日というのが定着してきていましたので、実際はこんなものでしょう。関内駅の南口の交差点で左折し、市庁舎の周りを回ります。この区間は反対回りは79系統(現在では32系統も)が走っていますが、こちら回りは150系統だけです。左手に市庁舎、右手に横浜スタジアムを見て、市庁前の交差点を左折し、市庁前バス停に止まります。1人乗車。

 市庁前バス停を出たバスは2車線の道路の追い越し車線側に入り、通り沿いの尾上町バス停は無視し、尾上町交差点を曲がった先にある尾上町バス停に止まります。この区間は99系統も同じルートを走るのですが、99系統は尾上町交差点手前の尾上町バス停と交差点を曲がった先の尾上町バス停の2両方に停車します。乗り慣れている区間ですが、何だか新鮮な気分になります。

 尾上町を出たバスは本町交差点で右折し、国道133号線に入ります。本町1丁目、県庁前と止まります。関内駅を出てスタジアムの脇を通り、次の信号で曲がらずに直進すると開港記念会館の脇に出るので、このバスは結構遠回りをしていることになります。が、横浜の官庁街・ビジネス外を通ることを考えると、こういうルート選択は間違っていないでしょう。県庁前でまた1人乗車。

 警友病院、中華街入口、山下町、山下ふ頭入口、山下橋。結局県庁前以降乗ってくる乗客はありませんでした。山下橋を出ると、「この先高速道路を通行します」という放送が流れてきます。「立っている人は補助席を用意し、既に座っている人はシートベルトをして下さい」ということも告げられます。もっとも、何度か乗った土曜日の13時便では補助席を利用することは最後までありませんでした。

 貯木場前バス停の手前の交差点でバスは左折します。関内駅方面行きは交差点を曲がってすぐにバス停があるので貯木場前バス停にも止まりますが、若葉台中央行はこのバス停には止まらず高速に入ります。曲がった先の道路は道幅の狭い道路です。次の交差点で左折し、いよいよ山下町料金所から首都高速に入ります。

 高速は石川町駅脇、市大病院脇、横浜商業高校(Y校)脇を経て、狩場ジャンクションに着きます。そこから保土ヶ谷バイパスに入ります。保土ヶ谷バイパスは途中までは3車線なのですが、やがて2車線になり、そのあたりから渋滞が始まります。渋滞はこの先、このバスが上川井インターを降りるまで続きます(実際はその先東名高速のインターあたりまで続きます)。

 さて、この道路を走っていると目立つのが相鉄バスです。バイパスの沿線上に旭営業所(旭高校入口:下川井インター近く)があるため、営業所と二俣川駅間などはバイパスを経由して回送運転することもあるようです。

 上川井インターが近づくと再び放送が入り、亀甲山への到着と補助席の格納が呼びかけられます。亀甲山で一人降ります。ここで降りると若葉台中央まで行くのと比べて10円安くなります。インターを降りて、右折し、更に旧道の方にはいるために左折すると亀甲山です。5系統の終点であり、折返場もあります。ここからは116系統(近隣公園経由)と同じルートになります。大貫橋で左折、さらにその先の若葉台南で右折します。若葉台南を過ぎると若葉台団地に入り、景色も一転します。近隣公園、東中学校前、霧が丘高校前まで行き、左折します。しばらく行くと若葉台車庫前で、いよいよ終点はすぐそこ。ショッピングセンターが見えてくると若葉台中央です。所定では関内駅から50分で到着となっていますが、50分で行くことはほとんどなく、大抵1時間程度かかっての到着でした。ひどいときは1時間30分。つまり所定のほぼ倍の時間をかけていくこともありました。

 若葉台中央から先は亀甲山まで歩いて戻り、横浜駅に帰ったり、青葉台駅に出て田園都市線に乗って市が尾、そこからバスで横浜駅に戻るなどことをしていました。

4−2.若葉台中央->関内駅北口間乗車記

 一度、若葉台中央から関内駅に行く便にも乗ってみたくなり、92年の2月、朝早起きをして出かけてみました。若葉台中央を7時20分、35分、50分に出るという情報を仕入れたので、とりあえず6時30分くらいには東神奈川を出て一路横浜線で十日市場へ。十日市場で運賃精算をしたところ、東神奈川から290円。既にバスの運賃を超えていました。そして、早速若葉台方面に行くバス停へ。

 市営バスは目の前で行ってしまったのですが、すぐに十日市場駅発の若葉台中央経由鶴ヶ峰駅行きの神奈中バスがやってきました。とりあえずそれに乗り込みます。乗客は2人(私を含めて)。あと30分位すると霧が丘高校方面行く学生でバス停はごった返すはずなのですが、この時間はこんなものでした。このバスは23系統と同じルートで若葉台に向かいます。ちなみに、青葉台、十日市場方面から若葉台中央に向かう場合は23系統の方が時間的には早く着きます。

 途中でもう一人のお客が降りてしまい、貸切状態になったままバスは若葉台中央へ。偶然にも降りたバス停から150系統は出るので、そう動かなくてもよかったのはラッキーでした。時間は7時10分。150系統に乗ろうとするお客さんは結構並んでいました。一番前に座れるか微妙なところで、座れないようならば1本おこうと決めて列に並びました。7時18分頃、バスが入ってきます。スーツ姿のサラリーマンの方に混じって私もバスに乗り込みます。運良く一番前に座ることが出来ました。ちなみにこれがこの日最初の運用ではないようで、この車両と運転手さんは一度十日市場まで行っているようでした。

 7時20分、ほぼ8割方座席が埋まった状態でバスは発車します。やはり平日の朝は土曜日とは違うなぁと思いながらバスは動きます。若葉台車庫、東中学校、近隣公園とお客を拾ってバスは行きます。私の隣にも人が乗ってきました。亀甲山を出ると保土ヶ谷バイパスです。補助席が出されて立っていた人が座りました。車内を見回すと、新聞や雑誌を読んでいる人、眠っている人、人それぞれです。

 さて、保土ヶ谷バイパスです。朝のラッシュ時にさしかかる時間のため、道路は上川井インターの時点で混雑しています。のろのろ運転です。でも、全く動かないわけではなく少しづつではありますが動きます。さすがに早起きをしている上、こういう渋滞にさしかかったせいか私も少々うとうと気味です。でも、せっかく乗ったのですからここはガマンガマン。

 二俣川駅の近くから「桜木町駅」と書かれた相鉄バスがバイパスにあがってきました。これは二俣川駅北口〜桜木町駅を結ぶ旭6(後に旭4に統合)系統のバスです。二俣川駅北口から左近山入口間を朝(始発から)と夕方(以降)バイパス経由で運行するバスです。日中は相鉄線の踏切を通りこの区間を行きます。とても狭い道を走るので途中の美立橋まではもう一人運転手さんが添乗します。

 話を150系統に戻しましょう。保土ヶ谷バイパスの場合、新保土ヶ谷のインターから横浜新道方面に流れる車が多いようです。そんなわけでその分岐が始まると首都高速方面に進む車線は空いてきます。ようやくペースを取り戻し、バスは首都高速方面に進みます。

 桜木町方向から来る車線と合流するとまもなく山下町出口です。首都高速を降り、貯木場前に着きます。補助席に座っていた人は立ち、いすもしまわれます。貯木場前で早速1人降りました。そしてまた、ここから乗ってくる人もいました。日中はここから2系統が関内駅方面に行くのですが、それ以外の時間はここから関内駅方面に直通するバスはないので、案外利用があるようです。山下橋、山下ふ頭入口、山下町、中華街、警友病院、県庁前、本庁1丁目とバスは進みますが、ここら辺に来ると降りる一方になります。本町4丁目は本町交差点を曲がったところで止まります。そして尾上町。ここで多くのお客がおります。私の隣に座っていた人もここで降りました。関内駅行きは尾上町を出ると交差点をそのまま直進、JRのガードをくぐった先で左折して関内駅北口に入ります。ここまで約1時間。結局遅れはあまり解消できませんでした。

5.運用について

 朝若葉台中央発が3本、平日は夕方関内駅北口発が3本、土曜日は昼過ぎに関内駅北口発が3本ということで、ダイヤの組み方が大変だったようです。主に5系統と絡ませていましたが、当初は他にもそのころ運行開始した140、141系統と組み合わせての運用もありました。特に土曜日ダイヤでは朝若葉台から出てきて、その後午前中いっぱい140、141系統の運用に入り、13時過ぎに若葉台に帰るというような運用もありました。もっとも、140、141系統との組み合わせ運用はその後解消され、私がよく乗っていた関内駅13:00発は若葉台出庫後、亀甲山へ回送、5で横浜駅西口、回送で関内駅北口、150で若葉台中央、車庫、そして休憩の後で65系統を青葉台まで3往復という運用になっていました。

6.路線廃止への経緯、車両のその後

 乗車記にもあるとおり、とにかく保土ヶ谷バイパスの渋滞がひどく、定時運行が困難な路線でした。それにより、乗客離れが発生して結局、土曜日の運行廃止、そしてその後路線の廃止となりました。料金的には若葉台から十日市場に出て、そこから電車でのルートに比べると約半額であったことから、この渋滞という要素さえなければもうちょっと発展したのではないかと思っています。

 路線廃止後、150系統専用車はまず本牧に転属となりました。本牧営業所では一般路線には向かないことから、主に本牧ふ頭地区の会社による貸切扱いの特定輸送に使用されました。しかし、それだけの使用にはあまりにももったいないと思ったのか、後日鶴見に転属となり、109系統の専用車となりました。丁度そのころ109系統は横浜駅西口発着便も運転されるようになり、その後しばらくは109系統の「顔」として活躍してきましたが、1997年度になっていすゞ製の新しい「109系統専用車」が投入され、予備車的な存在になってしまいました。その後2002年11月に廃車を迎えました。


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Presented by 古屋俊和(Toshikazu Furuya)
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