戸塚駅周辺((旧)6、53、69系統)

 戸塚駅東口には1998年1月まで53系統が乗り入れてきており、横浜市営バスの端点の1つでした。しかし、残念ながら廃止となり、現在は神奈中バスと江ノ電バスの発車するバスターミナルとなりました。しかし、廃止から2年近く経つ今でもバスターミナルなどに当時の痕跡が残っているので、それを見てみました。


1.戸塚駅と市営バス

 戸塚というところに横浜市交通局は結構ご執心のようで、市営バスは戦後間もない頃に6系統を横浜駅から戸塚駅まで走らせていました(市営バスあれこれの「6系統の過去」を参考にして下さい)。6系統は当初は平戸方面から国道1号を走る路線でしたが、昭和34年に一度廃止となり、約半年後に復活したものの、今度は横浜新道経由ということで平戸〜戸塚駅間は一時的に市営バスが撤退することになりました。その後、昭和36年5月に弘明寺(後に横浜駅から)〜戸塚駅間で53系統が運行を開始し、このルートでの市営バスの運行が復活しました。当時は午後に1往復という寂しいダイヤでした。それから昭和39年の69系統運行となり、その体制が長らく続いたのですが、69系統の廃止、次いで53系統の廃止ということで平成10年1月をもって品濃口〜戸塚駅間から市営バスが撤退してしまいました。


2.神奈中バスのみが使用する市営バス仕様のバス停

 市営バスと民営バスが同じバス停を通る場合、古くから市営バスが走っているところでは市営バスの様式のバス停が使用されます。ちなみに、民営バスが古くから路線を持っているところに市営バスが走る場合、バス停が民営様式となることは多いです(16系統の芦穂橋周辺(臨港仕様)、121系統の川島住宅(相鉄仕様)など)。

 そういう区間で市営バスが撤退した場合、そのバス停の寿命が来るまでは市営バスの様式でそのまま使われるようです。実際、戸塚駅周辺では市営バスが撤退した後も市営バス仕様の神奈中バスのバス停が置かれています。

ブリジストン前バス停
市営バス仕様のバス停

 一番上の会社名のところがかつては「市営、神奈中」とあったものを「神奈中」のみにした後がおわかりになるかと思います。行き先案内は神奈中バスのみになっています(ちなみに、国道平戸バス停には未だ53系統が残っています)。

 なお、このバス停は次回更新時には神奈中バス仕様のものになるかと思います。実際、市営バスが撤退した江田駅周辺の「江田ドエル前」などのバス停は残った東急バスのバス停に取り替えられています。あと何年かするとこのバス停も見られなくなるかもしれません。


3.戸塚駅に残る市営バスの痕跡

 戸塚駅に行ってみると何と廃止のお知らせの看板が残っていました。

戸塚駅東口に残る市営バス廃止のお知らせ
戸塚駅の掲示板

 この時、本郷台駅に(鎌倉街道側から)乗り入れていた40系統も廃止となったため、同じ掲示板が設置されたようです。ちなみに、本郷台駅の場合は40系統の廃止と入れ替わるように138、139系統が(小山台側から)乗り入れるようになったので、この掲示板もいつしか撤去されたものと思っています。

 バス停のポールに目を向けると、そこにも痕跡がいくつか残っていました。

バス停に残る痕跡
バス停に残る痕跡・1
バス停に残る痕跡・1

 上の写真は「53 上大岡駅」とあった上にシールを貼って目隠しをした跡のようです。どうやらこういうシールでふさぐことをすると、必ずと言っていいほどそれをはがそうとする輩が現れ、挙げ句の果てには取られてしまうことが多いです。これははがされてしまったものになります。

 下の写真は内側からシールで隠されているのか、まだ残っているものです。何やら下の方に少しだけ字がでてきていますが、よく見てみると「磯子駅」とありました。69系統が運行されていたときのものがまだ残っているようです。