市営バスアルバム


9−2531(本牧)


(三菱ふそう MP107−M:1979年度購入、1991年度廃車)


9−2531:その1
↑ 1987年7月:横浜駅東口バスターミナルにて撮影
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9−2531:その2
↑ 1991年7月:本牧営業所にて撮影
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 三菱ふそう車の試作冷房車です。緑、(旧)川和にも同様の車両が配属されました。前面スタイルはそれ以前の車両のボディーとあまり変わりありませんが、後方が結構変わっていたので好きだった一台です。

 もっとも、後方の写真というのが下の写真のように廃車時のものしかったのが惜しまれます。この写真は自分で運転する自家用車の車内から撮影したものです。新車が入れば(ほぼ間違いなく)廃車が出るわけで、新車を確認するとよく車庫まで出かけていったものです。最初の頃は車庫行きのバスに乗り行っていましたが、いつしか私自身も齢を重ねて自分で車を運転できるような年となり、こういう写真を撮影することが出来るようになりました。

 さて、この車両には2つほど裏話があります。1つは500円硬貨対応料金箱試作車だったことです。500円硬貨は今では当たり前のように使用できますが、全ての車両が500円硬貨対応になったのは昭和62年です。それまでは原則として500円硬貨は使用出来なかったので、私などは500円硬貨で乗車しようとした他のお客さんがいたときのためによく100円硬貨を5枚小銭入れに入れておいたものです。そんな中、昭和58年頃各営業所で1台程度500円硬貨対応料金箱の試験車が走り出しました。本牧営業所ではこの車両が選ばれて、現在「共通カード取扱車」というプレートがはられているところに、「500円硬貨対応料金箱試験車(詳細は忘れましたが)」というプレートをはっていました。ちなみに、まだ冷房車が少なかった頃です。冷房車は冷房のシーズンになると「冷房車」というプレートを同じようにはっていたのですが、この車両は確かずっと「500円硬貨・・・」とはってあったおぼえがあります。

 もう1つの裏話は、冷房が付いていたことから他の同年度車に比べて長生きをすることが出来たことです。横浜市交通局は1979年度車としてまず11台の(試作)冷房車を投入し、その後冷房なし車両を投入したのです。翌年度車から全て冷房車となっています。普通は投入された順番に廃車されますが、この車両は試作車とはいえども冷房車であったことから同年度に投入された非冷房車より長く活躍することが出来ました。